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2012年5月25日金曜日

桜井サイエンスエンターテインメントinタイ

みなさま。今日は日本では既にマスコミ等で取り上げられてます、サイエンスナビゲーターの桜井進先生による、サイエンスエンターテインメントについてお話いたします。

桜井先生は、2000年より数学の素晴らしさを伝えるためのプレゼン活動を始め、現在ではプレゼン活動の他に、テレビ出演、執筆などに忙しい毎日を送られています。

が、今回タイのバンコクで『桜井サイエンスエンターテインメント』が開催されます。

2012年6月6日(水)13-15時 ルンアルン学園(ラマ2世通り)

2012年6月7日(水)9時半-15時半 キングモンクット工科大学バンモット

詳細は、飯村 浩まで。
メール:hiimura4444@hotmail.com hiimurajah@gmail.com
携帯:081−583−9852



2012年5月9日水曜日

Eco toilet - NHK WORLD RADIO JAPAN - Script

『NHKワールドラジオJAPAN』に紹介された、シャンティ山口の佐伯昭夫さんの『エコフレンドリートイレ』の日本語訳です。
japanese script of "eco-friendly toilet" of mr.teruo saeki, shanti yamaguchi foundation, introduced on nhk world radio japan.





NHK WORLD
2012319日 NHK RADIO JAPAN 放送 日本語訳 
翻訳「IIMURA HIROSHI THAIRAND

みなさん、こんにちは。
NHKラジオジャパンが興味深い内容について、ご紹介致します。
リスナーのみなさま。

現在タイにおいて、エコフレンドリートイレが、町から遠く離れた山奥の村で、たくさん設置されています。
このトイレは人間の排泄物を液状に変え、堆肥と燃料用ガスとして活用しているのです。この堆肥を生産し、環境を改善するトイレを設置し、またより環境にやさしくなるように改良しているのが、日本人の佐伯昭夫さん、67歳です。

今日はこのエコフレンドリートイレがどのようなものなのかについて、佐伯さんがこのトイレを推進した理由も含めてお話しいたします。
佐伯さんはこのエコフレンドリートイレの設置、点検および修理のため、タイ北部の山脈にあるモン族の村、ホイプム村に半年以上滞在します。

佐伯さんのお話です。
「1月の24日から2月の17日までは、トイレの最終、、、」今年は1月から2月まではトイレの設置を行い、3月からは今後のトイレ設置について村民と話し合いを始めています。
村人達が私のところを訪ねて来て、トイレについて話すのは、何より楽しいことです。佐伯さんがエコフレンドリートイレ作りに使う資材は、すべて現地で調達できるものです。そして村人が協力し合い、自分たちでトイレの設置を行うのです。

それにより資材の費用を抑え、また建設会社の職人を雇わないことで人件費がゼロになるのです。トイレの設置は最低限の資材で行うため容易で、またそのプロセスも最短期間でできるようにデザインされています。

エコトイレの設置プロセスですが、まずはトイレからパイプをつなげて直径1.5メートル、深さ2メートルの円柱型の槽に入るようにします。このような槽が5つあり、排泄物が移動するようにパイプでつながれています。
排泄物が直接流れ込む第1槽の蓋には、排泄物から発生するメタンガスを集めるために、管が取り付けられています。そしてこの管が屋内のガスコンロにつながれています。このガスに火をつけると大きな黄色い炎が上がり、調理に使うことができるのです。

第2槽から第5槽までは微生物が自然に発生し、排泄物の分解が行われます。
排泄物は密閉した中で約1ヶ月おかれるので、大腸菌などの好気性の細菌や病原菌などは全て死滅するため、人体に対する危険がありません。
排泄物は第5槽に到着するころには澄んだ液体となり、これは窒素およびリン酸やその他の養分が豊富なので、堆肥として適しており、パイプで村内の農地につながれています。



佐伯さんのエコフレンドリートイレができる前は、村人が穴を掘ってトイレとして用いたり、またトイレが無い家もたくさんありました。
そのため村中に悪臭が漂い、常にひどい下痢や伝染病に感染している村人が絶えませんでした。しかし佐伯さんのトイレができてからは、これらの疾病が半分以下に減りました。そのため村人達は佐伯さんに大変感謝しています。

「アンケート調査で健康調査とかやってるんですけど、その中で当初、、、」私がアンケート調査を行った結果、このトイレができてから健康状態が良くなった、ひどい下痢や感染症も無くなったという意見が多く得られました。
その他に、堆肥もたくさん得られ、畑にもたくさんの野菜を植えることができるという意見もみられました。
村人の一人は、今までトイレが無かったため、恥ずかしくてお客さんを家に招くことができませんでしたが、トイレができたからは、両親や親戚などを泊めることができるようになり、楽しいお正月を過ごすことができた、と言っています。

佐伯さんは元山口県の職員でダムや発電所等の管理業務を行っていました。
1993年にモン族の村の自立を支援するために山口の地域から発信するNGOとして結成されそのメンバーの一員として活動を続けています。
佐伯さんは当時を振り返って、1996年の6月の雨期の時に訪れた、ある村で
遭遇した出来事に大変驚いたと言っています。

「道は水浸しで、そういう中で子供がねぇ、、、」道が水浸しになっている時に、子供が水遊びをしていたのですが、よく見ると排泄物がたくさん浮かんでいました。   その中で子供達が遊んでいるのを見て、私は大変驚くとともに、このような環境が伝染病の多い原因だと考えました。

私はそこでその水をサンプルとして採取し、水質検査を行いました。その結果、大腸菌や病原菌そして油さえも検出されました。到底飲用に適した水ではありませんでした。トイレからあふれ出た汚物の対策を行わなければなりませんでした。

佐伯さんがどのようにして、 配水管も電気も無い貧しい村に清潔なトイレを設置することができたのでしょうか。
佐伯さんは、日本に帰り問題の解決策を考えました。そして佐伯さんの子供の頃のある思い出がアイデアの元となったのです。佐伯さんは山口県の農家で育ちました。子供の頃、人の排泄物を田んぼの片隅にある肥溜めの中で発酵させて堆肥に変えていました。
この肥溜めは日本で古くから用いられていました。地面に穴を堀って水瓶を埋め込み、その中に排泄された物は微生物によって分解された後、堆肥として使用されました。

そこで佐伯さんが考えたのは、もし現代的な肥溜めをモン族の村に設置し、排泄物を堆肥に変えて有効的に再利用することができたら良いのでは、ということでした。そこですぐに研究を始めたのです。

2002年より現地で実際に実験を繰り返し、そして遂に2005年にエコフレンドリートイレの第一号が出来上がったのです。
その当時から村人も参加し、熱心にトイレ設置に努力しました。そしてエコフレンドリートイレはホイプム村内および近隣の村に44カ所設置されています。
またこれから1年の間に更に23カ所のトイレを設置する予定です。
このエコフレンドリートイレの設置を推進するだけでなく、佐伯さんは村人達にトイレの作り方も指導しています。
前述の44カ所のトイレのほとんどは村人達が佐伯さんの指導の下に作リました。村人が資材を調達し、協力し合って設置したのです。

佐伯さんが推進しているのはエコフレンドリートイレだけではありません。
農業についての助言も行っています。

村人は山の斜面でトウモロコシを栽培していますが、無計画に木を切り倒して畑を広げたため、昨年の雨期の大雨により、木がなくなった斜面の土砂が崩れ、村の人家が一軒破壊される被害を受けました。

佐伯さんは村人と、どのようにしたら状況が良くなるかについて話し、山の上に木を植えることになりました。植林するのは収入源となる木で、ゴムの木やマンゴーなどの果樹などです。
佐伯さんと村人達は苗木小屋を作り『農業センター』と名付け、300本以上の苗木を育てています。
そしてエコフレンドリートイレからの堆肥を用いています。
今年と来年は、どの種類の木がこの地域の気候に適し、果実が良く実るかということを実験します。そして再来年より本格的に苗を植林する予定です。

佐伯さんは「なぜ苗を育てることから始めたかというと、やっぱり人はね、、、」なぜ我々は苗を育てることから始めたかというと、人は種から自分で育てた苗木というものを大事にし、世話をするもので、そこが買って来た木を植えるのと異なるところです。買って来た木であれば、育ちが悪ければ簡単に切ってしまいます。

私ができることは手助けすることだけです。
その後は村人達が自分達で道を切り開いて行かなければならないのです。
もし村人が忍耐強く、自信を持てば、明るい未来が開かれるのです。
 
以上が佐伯昭夫さんが、タイの北部の山岳少数民族の村に設置したエコフレンドリートイレの話です。